September 17, 2011
シアターぷらっつ江坂。
劇団ひまわり大阪のビルの2階は、HEP HALLと見まがうような立派な劇場(シアターぷらっつ江坂)がある。
明日で千秋楽を迎える18期研究科公演「タマゴよ、みな鳥になれると思うな」も当然この「ぷらっつ」で打っている。

この秋、劇団ひまわりが移転するにあたって、この劇場が明日で最後を迎えることは、意外と知られていないんじゃないだろうか。

思い入れのある方は、この最後の時に立ち会われてはいかがだろう。



さて、劇団ひまわり大阪には木嶋さんという頼れる所長がいらっしゃる。
木嶋さんにはビームの「よせばいいのに」再演の日替わりゲストでも出演してもらった。
そんな木嶋さんにまつわる今日のお話し。

本日のソワレ公演は、同ビルの1階にあるカフェで行なわれる音楽ライブと開演時間が重なった。
マチネ公演終わりの返し稽古中に、下からズンドコズンドコ重低音が響いてくる。
どうやらライブのリハーサルをしているらしい。
同じビル内とは言え、ひまわりの管轄にあるお店ではないため、止めてくれというわけにはいかないらしい。
本番時間が重なるが、どう影響するかは始まってみないと分からなかった。


打つ手なく、開演。
1時間くらい経って、そう言えばライブの音しないなぁと思っていたら、始まった始まった。
J-POPのカバーらしき音楽が芝居のBGかと思うほどに聞こえてくる。
舞台上では、ラジカセをオンにしたりオフにしたりする芝居をしているのに、下から漏れ聞こえる音楽が微妙に舞台上に鳴り響き、不条理な状況に陥っている。
うーむ。
お客さんはどう思っているんだろう。

約15分くらいの間に3曲を演奏しただろうか、しかし、その後パタリとライブの音漏れはなくなった。
ミニライブだったのだろうか。
どうにか終盤のシーンには干渉してこないで芝居を終えることができた。


そして、終演後、木嶋所長に謝れた。

「ごめんな横山くん。下がうるさくて」

「いや、思ったより早く終わってくれたんで、まだ良かったです」

「言いに行ったんや。こっちは15分我慢したんやから、そっちも15分演奏我慢せいって」

「あ、そうだったんですか。ありがとうございます」



いやぁ、頼れる。
何がすごいって、このムチャとも思える交換条件を成立させてしまうところがさすがだ。
こちらの芝居の音響が向こうのライブにどう影響していたか、という部分には触れずに、「15分我慢した」ということだけを盾にライブを一旦ストップさせてくれたのだから。
憶測だけど、もうすぐこのビルを出ることもあって、多少強く出てくれたのかもしれない。
いや、木嶋さんの性分ならそんなこと関係なく言いに行ってくれただろう。



そんなこんなで、明日、ひとつの劇場が幕を閉じる。
もっと思い入れの強い人たちで最後を迎えたかったんじゃないだろうか...と多少気が引けるけど、少なくとも研究科のメンバーは一生懸命やってるし、その辺は僕が勝手に恐縮しておけばいい話しであって。

劇場の最後に恥じないように、明日のステージが良いものになりますことを。

diary |  23:24 PM