October 26, 2011
シルバーにシートを。
電車にて。
座っていたら、高齢の男性が乗ってきたので「どうぞ」と席を譲ろうと立ち上がろうとした。
「結構です」と断られた。
「いや、でも」と食い下がった。
「結構ですから」と断固拒否されたので、「そうですか...」と中途半端に上げた腰を椅子に戻した。
こうなってくると、次の駅で別の高齢の方が乗ってくるのが急に怖くなる。
もし新たに乗り込んできた高齢者が僕の前に立ったならば、僕は席を譲るべきだろう。
しかし、次また断られたらどうしようと思ってしまう僕がいる。
席譲りたがり坊主と思われやしないだろうか。

次の駅に着いた。
僕の隣に座っていた人が降車した。
すると、僕が席を譲ろうとして断られた高齢者が座った。
「え」と思った。
その人は、僕に「どうも」と言った。
少し混乱した。僕が譲ろうと思ったのは数分前。
すぐ次の駅で降りるのかもしれないと思っていたら、座るのだ。
そして、「どうも」と御礼を述べられる。
さっきの拒否は僕に気を遣ったのか。
...いや逆だ。
僕はまだ高齢ではないから、あまり考えたことがなかったが、そういうものなのかもしれない。
高齢者(特に身体的に元気な高齢者)は、若者と同じ程度に座りたい気持ちはあるが、席を譲られることに多少の抵抗感があるのかもしれない。
多くの高齢者は仕方なく若者に「気を遣って」譲られた席に座ってくれているんじゃないだろうか。その若者の自尊心を傷つけないように。
しかし僕の譲りを断った高齢者は、無闇に気遣いを見せない。ただし、譲ろうとした行為に関しては、礼を述べよう。そういうことだったのではないか。
なんだか腑に落ちる。
だからあれだ。
結論としては、高齢者に席を譲るときに「どうぞ」の前に、「良かったら」と付けたらいいのだ。
良かったら、どうぞ。良くなれば私が座り続けますし。
そういうことで、どうだろうか。
好きにすればいいだろう。

diary |  21:36 PM