December 04, 2012
エダニクチラシ掲載 推薦文 (MONO土田英生)
★チラシ裏面に掲載させてもらっている土田さんからの推薦文をアップしました★

さて、横山拓也だ。
 彼はすでに充分なキャリアの持ち主だ。「売込隊ビーム」という人気劇団の座付き作家として頭角を現し、特に関西では長い間、注目を浴びて来た。ただ、私がその頃の彼の作品に感じていた不満は、面白くてセンスの良さは光っているのに、何かに迷っているような吹っ切れなさだった。悟りを開いているかのような風貌をしている割に、やや腰が据わってない印象があったのだ。
 しかしだ。彼は大きく変貌を遂げた。愛着のある劇団から敢えて離れ、突然、自分のモチベーションに対して素直な姿勢で書き出した。すると元々持ち合わせていた実力と相まって次々に意欲的な作品を創り始めたのだ。この「エダニク」は、そんな彼のターニングポイントになった作品だと思う。劇作家協会新人戯曲賞もこの作品で受賞しているし、ここで私が何かを付け加える必要もないのだが、彼の進化を、喜びと焦りと羨ましい気持ちで眺めている。
 今の横山拓也は迷っていない。本当に悟りを開いてきているのかも知れない......。

MONO 土田英生
information |  18:16 PM