March 18, 2013
「うぶな雲は空で迷う」を観た。
先週、MONO「うぶな雲は空で迷う」を観た。
「一張羅窃盗団」という仮タイトルがついていた頃から、なんとなく物語の大枠を聞かせてもらっていて、土田さんによると〝今回はバカバカしい笑いに徹する〟ということだった。
2月に脚本執筆が行き詰まったところで、先の展開のお話相手をやらせてもらった。
土田さんの言うところの「的」という役柄。
喫茶店で途中までの台本を斜め読み。
そして、行き詰まっていると言いながら、ラストまで構想を聞かせてもらう。
そのときは、MONOの15年前の名作「その鉄塔に男たちはいるという」に雰囲気が似ていると思った。

それにしても、土田さん。去年から今年にかけて、舞台だけでも一体何本新作を書いているのか。枯渇しないのかな、と勝手に心配したりする。

さておき、この「うぶな雲は空で迷う」だ。
面白かった。
そうなったか!と拳を握って興奮した。
15年近く土田作品を追ってきた僕として、この作品を強くオススメしたい。

これはオールドファンも初見の方も楽しめるMONOだ。
まだ東京公演が残っているから詳細に書けないけど、この作品は「鉄塔...」ではなかった。
今この〝時間〟の描き方はグっとくる。切ない。
なのに、起筆時の【笑いに徹する】というスタンスが、ちゃんとコメディにする。
だからより切ない。この胸の掻き回され方、たまらないです。
笑って油断していたら、苦しいところに連れて行かれる。

場転が暗転じゃないのも、今回のテーマにカチっとはまっていて、なるほどと思った。
そして、ラストが、ある意味で僕は「鉄塔...」よりも救いがないと思った。
これが〝今〟だと思う。

...枯渇しないなぁ、土田さん。

MONOファンという贔屓目を差し引いても、今回は観に行くべき傑作です。
diary |  11:01 AM