April 25, 2013
低価格設定の先行予約というシステムから考察する(未完)。
4月28日から「流れんな」の先行予約がはじまる。5月11日までの約2週間、ちょっとお得にチケットをご購入いただける期間を設けてみた。
今回、制作を委託しているrighteyeにて受け付け。
初めてrighteyeチケットを利用する方は会員登録が必要で少し煩わしいかもしれないけど、righteyeが制作している演劇作品は打率高いと思うので、今後も継続利用されることを考慮してご入会されてはいかがでしょうか。

ところで。

この先行予約期間を設けるに当たって、深く考えたことがあるのでここに記してみる。
まだ未整理で、見識を備えない僕が書くことなので拙いけれど、書き出すことで何か整理が出来るかもしれない。
社会心理学とか行動科学をちゃんと勉強してる人にいつか聞いてみたい内容です。


自分も含めてだから書けることなのだけど、この1〜2年、予定の立て方に対するスタンスが大きく変わったような気がする。
前もって予定を決めることに妙な抵抗感があるのだ。
その理由の一番にあるのが、「もっと重要な何かが入るかもしれない...」という漠然とした予定だ。

大人はみんな忙しい。
だから、自分が自由にできる、まだ決定されていない未来について、大きな価値(または可能性)があると思い込んでいる。
僕のようなカレンダーと関係のないフリーランスの仕事をしている者こそ顕著で、「いつ重要な仕事が舞い込んでくるか分からない...」と思っている節がある。
観劇の予定もそうだけど、飲み会や遊びの約束もギリギリまで返事しないことも多い。

逆に優先的に埋めてしまう予定もある。
まず仕事。
そして、これは言ったらどこかで損しそうだけど、そのイベントや会合、またはその人自身が自分にとって有益であれば、すぐにFIXしてスケジュール帳に書き込める。
非道いと思われるかもしれないけど、誰にも思い当たることじゃないだろうか。

携帯電話の普及により、待ち合わせ場所、集合時間を詳細に決定しなくなったことの延長線上にある話だと思う。

また、家でしか見られなかったインターネットがスマホで見られるようになると、情報の拡散の方法が変化し、あわせてサービス業の形態も変わる。色々すっ飛ばして書くと、結果的にサービスが過剰になる。
〝過剰なサービス〟の例を挙げるならば、「直前予約」や「ドタキャン」が許されるサービスだ。
これが世間の感覚を変化させた。

これに対して格安航空会社はその安価な値段設定の代わりに「直前予約」「ドタキャン」を排している。もちろんお金にこだわらなければ直前予約もドタキャンもできるけど。


情報操作が通用しにくい世の中になっているし、「嘘」がバレれば業者の信用に関わる。
だからサービス業は正直になる。正直になると、ただでさえ強い消費者はより強者になる。
「値切る」「クレームをつける」という行為が、ものすごく一般的な行為になっている。

提供する側と消費する側がフェアな関係が一番望ましい。
結局は需要と供給のバランスの問題だ。
当たり前のことなのだけど、見合う価値があれば、人は先に予定を組むし、お金を出すのだ。提供側も過剰なサービスは必要ない。
薄利多売な商売をするサービス業が多くなると、バランスは崩れる。
デフレの話とかになってくると、僕にはもう手に負えないから、ちょっとここらでストップ。


とっ散らかしたけど、話を戻してみよう。
僕ら小劇場界の観劇のスケジュールが先に決めてもらえないのは、そこまでの価値がないからなのか、需要と供給のバランスが崩れている(座席が余っている)からか。
人気の公演は今も昔も変わらずにチケットが取りにくい。だけど、売り切れ必至の公演というものが減ってきているとも聞く。
多くの製作会社、制作者がものすごく考えて公演準備をしている。


iakuくらいの規模の公演で、色々考えた結果がこの先行予約です。
目新しくともなんともないけど、まあやってみようというわけです。

diary |  16:43 PM