May 16, 2014
牛丼経済と演劇。
牛丼を300円で提供したり、100円台のハンバーガーを提供したり、そういうお店はあと数年で立ち行かなくなるんじゃないか。深夜に一人で店を回すことが問題となっているチェーン店。そりゃそうだ。2人で3人分の仕事は出来ても、1人は1人でしかない(じゃあ2人配置すればOKか、というとそうではないけど)。

たとえば同店で急に材料の産地や品質などを見直して、高級な牛丼を作って800円にしてみたところでもう遅いだろう。イメージはそう安々と払拭出来ない。きっとお店を一旦フェードアウトさせて、新しい名前でちょっと良い物を出すお店がこれから出てくる。すかいらーくがガストに変わっていったのと逆の現象。

牛丼は500円で良かったのだ。それを300円にしたところで、人間の胃袋の容量は一緒だ。倍食べてくれるわけじゃない。だけど、おかげでまともなお店はことごとく煽りを受けて消滅してしまった。一時的に(と言っても10年という単位で)安価なものに流れた私たちが消滅させた。そして今、徐々に安い物への不信感を持ち始めている。なんて勝手なんだろう。みんなで消滅させたお店はもう戻っては来ない。

そんなことを考えていると、自分の演劇活動に返ってくる。
僕が精力的にやってるミニマムな作品を持って回るツアー公演は、マスを対象にしているわけじゃないから300円の牛丼とは違うけど、どこかで今までのルールを歪めている。
そのことには意識的でいようと思う。


diary |  13:28 PM