March 28, 2014
〈3月12日〉
昨日は寝不足続きの体力低下に風邪ウィルスがつけ込んできて、稽古場でえらく心配をかけてしまいました。すみません。昨晩十分な睡眠を取り、今朝の稽古からは概ね復活できました。
ピッコロ劇団オフシアター「車窓から、世界の」稽古は、恵まれた環境もあって順調に進行しています。
先週アタマに〝初稿らしき(セリフになってないシーンなどがある)台本〟が出来て、それから一週間経った昨日、初稿が完成しました。
ここから台本に疑いをもってブラシュアップしていきます。俳優には信頼をもって付き合っていきたいです。
はじめてご一緒する俳優さんたちと新作をつくる作業は楽しい。
僕はまず役者陣の考え方やアプローチを探りつつ、自分の方針はしっかり伝えて、あとは正直に取り組んでます。
〝正直に〟って、実は一番の近道だと思う。急がば回れです。役者さんを不安にさせることもあるかもしれないけど、はったりが出来るタイプの人間じゃないので。
あとは毎朝10時稽古開始っていうのが、自分で選んでおきながらなかなか眠い。健康的で良いのだけど。
体調整えて、あと3週間。傑作にします!

〈3月23日〉
ピッコロ劇団オフシアター「車窓から、世界の」は、初日2週間前に通し稽古が出来るほどに順調に進行しています。
台本も初稿から2度の改稿を経て、ひとまず納得の行くテキストになりました。
作品の傾向は、「人の気も知らないで」と「流れんな」の中間あたり(横山診断)。
街と事件を背景にいくつかの議論がなされます。
事の真相を少しずつ明かしながら、関わりの距離を狭めていく展開は、最近の横山節でございます。
ここから、シーンの結合部を滑らかにしていきつつ、常に思考が舞台上を支配している状態にもっていきたいと思います。
新作の演出は2年前のサキトサンズぶりなので、自分自身の成長も確認したいところです。
今日、美術が仮組みされた写真も届き、テンション高めです。柴田隆弘氏の緻密な舞台美術にもご期待ください!すごい駅のホームになってます。
土曜昼と日曜日の予約が伸びているみたいです。お申し込みはお早めに。

〈3月26日〉
自分でも書いた記憶のない台本をひたすら改稿するしんどい夢を見て、早朝に起床してから「車窓から、世界の」の台本とにらめっこ。午前中いっぱい問題点について考えて、手を入れる。飽くなき探究心。俳優にとっては迷惑?いやいや、稽古場でしっかり対応してくれる頼もしい俳優陣。
本日は改稿部分を当たってから二度目の通し稽古。スタッフ総見。
作家脳が顔を出してばかりじゃダメだけど、どうしても劇作家として芝居を作ってしまうのは性分か。
小屋入りまであと5回通せる算段。
早く作家脳とサヨナラしてしまわないと。
それにしたって、これはかなり見応えのある作品だと思う。
本番を思うと胸騒ぎザワザワ。
ギリギリまで粘るのです。

〈3月27日〉
朝6時に起きて、最後の改稿に取り掛かる。改稿と言っても足したいのはほんの数行のセリフ。ウンウン唸って9時30分。10時からの出版の打ち合わせに出かけて、昼前に帰宅して続き。ギリギリで3行のセリフと、ナイスなト書きが書けた。あー、これ書けたら勝ちって思った。これでもう台本には立ち戻らない。演出に専念だ。
14時からの稽古に出掛けて、改稿ポイントの部分稽古。そして4回目の通し稽古。夜はじっくり頭から止め通し。いい稽古が出来てる。その分、疲労困憊。
明日の午前中は少しゆっくりする。久しぶりに仕事を持ち込まないで喫茶店でコーヒー飲もう。
小休止したら次の書き物が待ってる。〆切は4月6日。ピッコロの千秋楽やん。ひー。がんばろ。
diary |  9:15 AM
March 27, 2014
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去年に引き続き、今年もやります演劇ラボラトリー上田一軒プロジェクト。
6月から12月まで、一軒さんの元で演劇しませんか。
僕は皆さんのことを観察しながら、12月の公演に向けて新作を書かせていただきます。
もちろん一軒さんが演出するわけで、これはiakuの公演スタイルにも通ずる形態です。
ただし、やるのは「コメディ」。ここがこのプロジェクトが一軒さん主導である所以と言えます。
去年は総勢17名のシチュエーションコメディを作りました。果たして今年は...。それは集まる皆さん次第です!

【応募条件】18歳以上(高校生不可)
【募集人数】15名程度
【募集〆切】5月2日(金)
【面接日】 5月17日(土)
【開講日】 6月4日(水)
【詳細】  アイホールWEBサイト

information |  22:00 PM
March 05, 2014
僕たちが20代の頃、関西小劇場の世界には、30代の憧れの先輩劇作家たちがいた。
いわゆる裏方の、見えないどなたかが10離れた世代を繋げてくれていた。
僕たちは先輩の劇団を見て「あんな作品をつくりたい」とか、「この作品を超えないと評価されない」とか、ある種の基準にしていた。
見えないどなたかの計らいで、飲みの席や交流の場が設定されて、小心者の僕なんかでも、少しでも先輩劇作家の話を聞こうと近くのテーブルについたものだ。

今、僕たちが30代になって、20代の後輩が近くにいるだろうか。
少なくとも、僕にはいない。
(「いない」なんて言い切っちゃうと、「僕は? 私は?」って言う人もいるかもしれないけど、話をシンプルにするために「いない」とさせてください)


なんで繋がっていないんだろう。
交流の場を作ってくれていた人たちは、僕たちが年をとった分、同じだけ年をとる。
当然20代とは遠くなる。
僕ら世代の「裏方」さんたちにも、世代間交流が少なくなったことへの危機感を抱いている方はいて、僕の知らない所で様々な場を設定するように苦心していくれているように思う(そういう企画もネット上などで目にする)。


でも、肝心の30代劇作家が開かない。(あ、少なくとも〝僕は〟)
なぜなら。
必死だから!
自分のことがまま成らないから、余裕がない。
僕らが20代のときに憧れていた30代劇作家が到達していたところに、同じ年になった今、まったく到達出来てないような気がして、いつまでも若手気分なのだ。
同じ30代で集まって仲良くやりながら、40代の先輩劇作家に今もお世話になっている。
(このことに一つも否定的な思いはなく、これからも同世代と仲良くして、先輩にお世話になる所存です。何この保険...)



これは先細りのニオイがする。
上が詰まってて抜けてくれないから僕らのポジションが上がっていかない、とか環境に対する不満を募らせてみたり。
10年前に暗躍してくれた裏方さんが、今も当時と同じ人間関係しか抱えていない、とか他人のせいにしてみたり。
若手がアクセスして来ない、とか自分たちの当時の引っ込み思案を棚に上げて言ってみたり。

いくらでも言い訳しようと思えば出てくるけど、一番は、僕たち30代劇作家に確固たる自信がなくて、怖がっているからじゃないだろうか。(あ、僕は、ですよ)

そんなこと言ったら、上の世代の先輩たちにしたって「俺たちだって確固たる自信なんか無かったわ!」と怒られそうだし、何なら、確固たる自信を持ってる人なんて小劇場で活動している人の中に一人もいないかもしれない。

「それでも自分たちを鼓舞して、時には先輩風を吹かせて、お前らのこと気にかけてやってきたのだ!」
と言われたら、ぐうの音も出ない。


iakuを開始してからの僕と言えば、世代間交流よりも、他地域との交流に目を向けている。
でも、せっかく得ている他地域の演劇界の情報、下の世代に伝えるべきじゃないのか。自問。
自分への自信の無さとか関係なく、経験則や持っている情報くらいは若い世代の糧になるだろう。自答。




さて。どこに話を持って行けばいいか、見失いつつある。

少しでも実りのある方向へ。ということで、劇作家協会の話。

日本劇作家協会という組織があって、各地に支部があり、関西には京都支部があった。
今は開店休業中で、実は今年6月の豊岡で開催される劇作家大会に向けて、京都支部の改組というか、関西に新しい支部が誕生する予定で、今その準備をしている。

この新しい支部は、僕たち30代劇作家が中心になって動いている。

つまり、このことは、僕たち次第で若い劇作家との世代間交流を深める可能性があるということなのだ。

試されている感じがするなぁ。
自分のこともまま成らないのに。
ああ、自分のこともまま成らないのに!
diary |  8:55 AM