札幌にはスギ花粉による花粉症がないと教えてもらった。
「人の気も知らないで」は花粉症の話題からスタートする。いきなり壁が立ちはだかった。
元々、本作は大阪を舞台にした関西弁口語の芝居である。
花粉症問題の前に、今回、札幌で上演するにあたり言葉をどうするのかという問題も挙っていて「札幌の言葉でやろう」と思っていたけど、札幌の言葉っていうのはほぼ(いわゆる)標準語であることを知らされた。また壁だ。場所と言葉の巨大な二枚の壁。
年明け、出演メンバーと顔合わせ&読み合わせを行い、現状関西弁で書かれたセリフをとりあえず皆さんが普段使っている言葉に瞬時に変換して(それはもう同時通訳レベルで)演ってもらった。
まあその対応能力の高さと言ったら。
僕が壁だと思っていた場所も言葉も即刻に解決した。
舞台は「札幌じゃないどこか」である。
それだけでいい。この俳優が揃えば大丈夫。そう思える読み合わせだった。
そもそも、この作品は戯曲の強度(自分で言う!)と力量ある俳優のアンサンブルだけで成立する高純度のセリフ劇だ。
しっかりと設えをして、皆さんをユーモアと議論の渦に引き摺り込みたい。
横山拓也
シアターZOO提携公演【Re:Z】
ラボチプロデュース「人の気も知らないで」
作・演出 横山拓也(iaku)
出演 小島達子(ELEVEN NINES)、田中佐保子(intro)、柴田知佳(劇団アトリエ)
〈introduction〉
ある春の日曜日。交通事故に遭い入院している同僚を見舞った3人の女性たち。身体の一部を失った同僚を、今後どうサポートしていけばいいのか。それぞれに事情を抱えながら、3人の議論は激しさを増し...。
2013年「せんだい短編戯曲賞」で大賞を受賞した作品を、札幌で活躍する3名の女優で上演します!
日時 4月25日(土)14時/18時、26日(日)14時
※開場は開演の30分前、当日券販売および受付開始は開場の40分前。
料金 一般 2,500円 学生 1,500円(当日券はそれぞれ300円増)
お問い合わせ シアターZOO 011-551-0909、ラボチ 090-5959-1262(11時~19時)