June 10, 2015
81BOOKS。
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iakuの公演チラシをデザインしてくれている下元くんは僕と同じ高校、大学に通っていた同級生で、iakuの前の劇団も合わせて20年くらい公演チラシを作ってもらっている。
下元くんが東京で81designというデザイン事務所を立ち上げて、六本木にやたらシャレた事務所を構えた頃、中目黒に81BOOKSを作った。彼を含めてスタッフ3人の会社が事務所を2つ持つという無駄。だけど、81BOOKSには強烈なコンセプトがある。詳細は省くけれど、デザイン事務所が手掛けるオリジナル作品集の本屋さんだ。ほとんどがイラストレーターやフォトグラファーの作品集だけど、僕の戯曲短編集も作ってもらった。

81BOOKSでは「流れんな」のチラシ用の撮影をしたことがあるんだけど「ここで演劇やれないかなぁ」とずっと考えていた。下元くんも「何かやってよ」と言ってくれてたし、この場所に訪れる度に、その可能性を探っていた。
しかし、演劇っていうのはなかなか厄介な芸術で、ポンっとやれるものじゃない。
展示や上映じゃなくて、上演なのだ。何十人もの人(お客さんも含めて)のスケジュールを合わせなければいけない。

リーディングくらいなら出来るかな...と思っていたけど、「人の気も知らないで」ならギャラリーやカフェ、ときには劇場ロビーでもやったことがある作品で、汎用性の高さは半端ない。そう思っていたら、今回の出演者の日沼さくらさんが作品に興味を示してくれた。
ガプリヨツは役者だけのユニットということもあり、ミニマルな予算感という部分でも81BOOKSなら協力してもらえる可能性がある。ミーティングを重ねて今回の公演が実現した。という経緯。

その公演が先週終わった。
思った以上に空間の使い方に苦心したし、役者も劇場とは違う観客との距離感や一体感に戸惑った。
オーナーの下元くんでさえ、当初僕に「何かやって」と言ってたときに想定してたものとは違ったと思う。
だけど、何人ものお客さんからこの空間での上演を評価してもらった。
ピッタリだったと言ってもらったし、見方を強いない印象が良いとか、劇場やカフェとは違うアーティスティックな空気づくりが良かったとか、そんな感想をもらった。
作品と俳優もはまり、公演の評判も上々だった。
大変だったけど、良い公演だった。

この81BOOKSは、今年の9月で閉じちゃう。
元々2年のプロジェクトでスタートしたお店で、予定通り潔く2年で閉めるという。
素敵な場所だし、もう少し続けてほしいなあ、なんて、僕みたいな外野は簡単に言うけれど、そういうわけにもいかないよね。
もしかしたら何年かして、彼が別のプロジェクトを立ち上げる可能性もあるじゃない。勝手に期待しておこう。

とりあえず、今年の「人の気も知らないで」はこれで終了。来年もまた何らかの形でやれたらいいね。

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diary |  11:02 AM