【あらすじ/イントロダクション】
もう10月になろうとしているのに、この数週間は季節外れの台風や、停滞前線の影響で強い雨を伴った不安定な天気が続き、香茨も土砂崩落や河川氾濫への警戒が強まっている。
そんなある秋の日曜日。藤倉家のリビング。今日は曇りの予報だったのに、昼過ぎから強い雨が降ってきた。父・利弘は災害対策の自治会会合に、息子・政次は朝からバイトに出ている。母・清美は隣人の椿本婦人を招いてお茶をしている。
世間話の中で、椿本が政次のバイト先の店長・平良が「オネエ」だという噂があると言い出した。清美は平良に何度も会っているので、その噂話を笑い飛ばしていたが、少し気にかかっていることがある。以前、政次の部屋のクローゼットで見つけた同性愛者向けのDVD。友達のいたずらかもしれないし、ふざけて持っているだけかもしれない。このことはまだ政次には聞けてない。
どんどん強くなる雨音。市の広報車が「土砂災害にご注意ください」とアナウンスしている。清美は政次の帰りが心配だ。あの子は無事に帰ってくるのだろうか。
自分からは遠いことのように思えても、実は誰にでも起こりうる問題が世の中には溢れている。「息子が同性愛者かもしれない」という事象に直面した母親の視点から、LGBTの問題を普遍化して描く。
【スタッフ】
作/横山拓也
演出/上田一軒
舞台監督/青野守浩〈兵庫公演〉、河村都(CQ)〈東京公演〉
舞台美術/柴田隆弘
照明/葛西健一(GEKKEN staffroom)
音響/三宅住絵(Quantum Leap*)
衣装/植田昇明(kasane)
演出助手/鎌江文子・北山佳吾(iaku)
宣伝美術・WEBデザイン/下元浩人(81 EIGHTY ONE)
宣伝写真・舞台写真/堀川高志(kutowans studio)
制作協力/三坂恵美(観劇三昧)
制作/笠原希(iaku/ライトアイ)
助成/芸術文化振興基金、アサヒグループ芸術文化財団